「ここがワグナリアですね」
「そうみてぇだな」
『じゃあ、後は2人にまかせた。私は新羅をとっちめてくる』
「はい、わかりました」
「容赦しなくていいぞ」
「あ、セルティさん。新羅さんに薬の効果はどれぐらいなのかも聞いてください」
『わかった。メールで連絡する』
「あう!」
『ありがとうございました。相馬さんもボコっておいてください。しばらく喋れないくらい』
『あ、うん。わかった。善処する』
幼児からものすごいセリフが出たような気がするが。
まぁ、中身は16歳なのでよしとしよう。
PDAをしまうと、セルティの愛車が低く唸り、あっという間に走り去って行った。
「さて、中に入りましょうか」
「おう」
「あい!」
自動ドアをくぐると、女性スタッフが駆け寄ってきた。
「いらっしゃいませ。3名様でよろしいですか?」
「あ、いえ」
「この店に、佐藤っていう奴はいるか?」
「え?」
「ちょ、静雄さん!取り立てじゃないんですから!」
「あ、わりぃ」
「あー、あう!!あーう!」
「え、ど、どうしたの?」
「あう!」
子供が指さす方向は厨房の奥。
そこに金色の頭がみえた。
「あいつか」
「あい!」
「あそこにいる、金髪の方なんですけど…」
「あぁ、北海道から来てる佐藤ですね。お知り合いですか?」
「そんなところです。少し用事があるので、呼び出していただけると助かるんですが」
「はい、わかりました。では、お座りになってお待ちください」
案内された窓際のテーブルにつく。
「よかったな。佐藤がいて」
「あい!」
ここまで来る道中で、静雄さんも子供の扱いにもなれたようだ。
「静雄さん。なにか食べます?」
「あぁ、そういえば昼食ってなかったな」
「あーう」
「お前もなんか食うか?」
「え、あそこのファミリーが俺を?」
「はい」
「………なんでだ?」
「……さぁ?」