『声もちょっと似てる感じです!』
「じゃあ、静雄さんだっこしてあげてください」
「お、おい竜ヶ峰…」
セルティから渡された子供を恐る恐る抱きかかえる。
「大丈夫ですよ。やさしくだっこしてあげれば……っていっても、意思疎通できるから、泣きはしないとおもいますよ?」
『静雄、ファイト!』
「こ、こうか?」
「静雄さん!子供ですよ!米俵じゃないですよ!」
『それは担ぐ、だ!静雄!』
「こう、胸の前に抱える感じで…そう!にゃんこをだっこする時みたいな!」
『まて静雄!何故頭の上に乗せようとするんだ!』
抱え方のレクチャーに数分かかったが、なんとかまともな抱き方ができた。
「うー」
「お、おい、本当に大丈夫か?」
「小鳥遊君、大丈夫?」
「あう!」
『大丈夫そうだな』
「じゃあ、ワグナリアまでいきましょうか」
「あい!」
「り、竜ヶ峰……かわってくれ…」
「え、駄目ですか?」
歩きだして数分たたずのギブアップ宣言だった。
「つぶしちまいそうで、怖い」
「…大丈夫ですよ。でも、かわりますね」
「…わりぃ」
『………なんか、そうしてると、夫婦みたいだな』
「んなっ…!」
「せ、セルティさん!」
『照れるな照れるな。なかなかお似合いだぞ!』
セルティの感想は正しく。
しばらく池袋には「平和島静雄が結婚してて、すでに子供がいる」「この間街中でいちゃついてた」「あの空気は夫婦だった」など、多数の噂が流れることになる。
帝人が私服で、それがユニセックスな服でなければ、ここまで噂は広がらなかったかもしれない……。