「お世話になりました」
「いえ、でもまさか、今日中に帰ると思わなかったです」
本店研修が中止になったので、来たばかりだというのに北海道3人組が帰ることになりました。
「薬出来たら、すぐ知らせますね」
「助かります」
「……それにしても……」
ちらりと小鳥遊君をみる。
なんか君をつけてごめんなさいと謝りたくなるぐらい女の子だ。
「すごいかわいいでしょ?うちのことりちゃん!うぐっ!?」
「相馬。てめぇは小鳥遊に戻るまでことりちゃんに近づくなっていっただろうが」
佐藤さんが容赦ないげんこつを相馬さんに落とす。
元凶の1部であるのでしょうがない。
「……大変ですね」
「……もう、なんか、疲れました」
小鳥遊君は、無事元のサイズに戻ったのだが。
やっぱり女の子だったので、臨也さんが用意してくれた服とカツラをかぶっている。
疲れているのは多分、着替えの時のセクハラの数々だろう。
着替えた後もセクハラされていた。そして佐藤さんが鉄拳制裁していた。
「おっと。そろそろ行くぞ。小鳥遊」
「あ、はい。それでは帝人さん」
「うん。また、機会があったらということで」
「……行ったのか?」
「はい。静雄さんも見送れなくて残念でしたね」
「俺は別にいい」
静雄さんは結構重症だったけれど、「またノミ蟲がくるかもしれねぇ」と言って空港まで付いてきてくれていた。
心配性すぎる。
ぴりりりりっ
「あれ、セルティさん?」
「あぁ?」
携帯の着信名を見ると、たしかにそう表示されていた。
喋れないから、いつもはこちらからしか掛けないのに。
「もしもし」
『あぁ、帝人君?セルティの携帯からでごめんね』
「新羅さん?どうしたんですか?」
『薬ができたから、届けに行くのに今セルティのバイクの後ろなんだ』
「え」
『だから、引きとめてくれると…』
「あの、新羅さん……大変言いづらいんですけど」
『………もしかして』
「もしかしなくても、出発しちゃいました……なので、一度マンションに戻ってください」
『……わかった……。セルティ、一旦帰ろう。もう出ちゃったって』
ピッ
「すれ違いですね…」
「薬出来たのか?」
「そうらしいです。新羅さんのマンションにいきましょうか」
「そうだな」